導入事例

水澤化学工業株式会社

リソース不足をカバーし
安定したデータ通信環境を実現

ISDN回線の終了に伴い、EDIシステムの見直しを迫られた水澤化学工業株式会社様。当初はEDIの完全撤廃も視野に入れていましたが、業務負担や安定性の観点から「トラコ」の導入を決定。その背景や導入の決め手、運用後の効果について詳しくお伺いしました。

水澤化学工業株式会社
管理本部 経営企画室 情報システムグループ兼経営企画グループ 主任 中居 慎之介 様

〈 インタビュアー 〉
デジタルトランスコミュニケーションズ株式会社 EDI事業部 執行役員 長岡 徹也

課題はEDIのブラックボックス化と運用負担

長岡
EDIの取り組みについてお聞きします。弊社のサービスを導入される前は、どのように運用されていましたか?
中居
ISDN回線を用いて、全銀TCP/IPの手順で銀行とのファームバンキング(FB)データ送受信や、運送会社との出荷情報・運賃請求データの受信などをEDIシステムとして運用していました。そして、ISDNのサービスが2024年1月に終了するため、2023年3月頃から準備を進めていました。特に銀行は前倒しでFBサービスを終了する予定だったため、それに合わせる形でEDIシステムの全面的な見直しと更新を行いました。
長岡
EDIシステムの見直しにあたって、どのような課題がありましたか?
中居
実は、EDIについては社内であまり詳しく見てこなかった部分でした。以前の担当者が開発・運用していたものを引き継いだ形で、私自身は詳細を把握していませんでした。
長岡
具体的には、どのような部分がブラックボックス化していたのでしょうか?
中居
例えば、全銀TCP/IPの通信手順は把握していませんでした。データの形式が固定長であることは分かっていても、それをどのように取引先に送信し、どのように受信しているのか、細かい運用フローは理解していませんでした。
長岡
確かに、長年運用していると、システムの詳細が属人化してしまうこともあります。
中居
そうなんです。2018~2019年にかけて基幹システムのリプレースを行った際、大手ベンダーに依頼し、他社のEDIパッケージソフトを導入しました。その際の設定や移植作業もベンダー側が対応していたため、社内でのノウハウが蓄積されていませんでした。

「EDIシステムをなくせないか?」から始まった検討

長岡
クラウド化の検討にあたり、オンプレミスとの比較などはされましたか?
中居
実は最初、「EDIシステムを廃止できないか?」というところから検討を始めました。運送会社とのデータのやり取りは、出荷情報や運賃請求データが中心なので、メールでも対応できます。
長岡
確かに、データのやり取りだけなら別の方法も考えられます。
中居
しかし、実際に担当部門と調整を進めると、メール運用では負担が増大することが分かりました。結果としてEDIは維持することになり、大手ベンダーと相談する中でDTCを紹介していただきました。その後、打ち合わせを経て「トラコ」導入を決めました。

「トラコ」を選んだ決め手は“理解力”

長岡
ありがとうございます。それでは、最終的に「トラコ」を選ばれた理由を教えていただけますか?
中居
最初の打ち合わせには、元起社長も同席してくださいました。その際、弊社のシステムをすぐに理解していただけたのが印象的でした。
長岡
理解の早さが決め手になったということでしょうか?
中居
はい。正直、EDIの移行先として他のベンダーの話も聞いてみようかと考えていましたが、元起社長との会話の中で「ここなら安心してお願いできる」と確信しました。
長岡
それは嬉しいですね。その他、どのような点を検討されましたか?
中居
ISDN回線が終了するにあたり、公開環境のサーバーを社内で運用する選択肢も検討しました。しかし、弊社のネットワークは基本的に閉域網の中で運用しており、公開環境の管理ノウハウを持つ人材がいませんでした。
長岡
自社運用よりも外部サービスを活用する方が合理的だったということですね。
中居
その通りです。「トラコ」はクラウドサービスなので、社内の人員や経験の範囲内で対応できる点が魅力でした。こうした理由から、「トラコ」を採用することに決めました。

銀行データ通信との棲み分けと運用の合理化

長岡
御社では「トラコ」を活用する一方で、銀行とのデータ通信には別のサービスを利用されています。どのような理由で分けられたのでしょうか?
中居
理由としては、銀行とのデータ通信においては、システムのプログラムを大きく変更せずに安定した通信を確保するため、多少高価ではありますが専用線を使った信頼性の高いサービスを選択しました。
長岡
データ通信の重要性から安定性を最優先したわけですね。
中居
一方で、運送会社とのデータのやり取りはSFTPのサーバーがあれば対応可能だと判断しました。ただし、EDIの運用にはサーバー管理が伴いますし、弊社はシステム担当者が少ないため、業務負担を減らす必要がありました。私自身も兼務しているため、新たなシステムの知識を深掘りしなくても済むサービスが必要だったのです。「トラコ」はその点がとてもありがたかったです。

「導入後も変わらない」ことが最大のメリット

長岡
「トラコ」を導入されてから、社内の運用に何か変化はありましたか?
中居
いい意味で「何も変わらない」ことが、一番のメリットだと感じています。基幹系システムと同じデータが流れているので、大きな変更があると業務に影響が出ます。しかし、「トラコ」導入後も、これまでと同じ運用を維持しながら、安定した「何も変わらない」稼働ができています。
長岡
最後に、今後のEDIの取り組みについてのお考えをお聞かせください。
中居
今のところ、大きな変更の予定はありません。ただ、「トラコ」を導入したことで、社内のシステム環境が変化しても、EDIの部分には大きく手を加えずに対応できると考えています。今後も安定した通信を維持しつつ、必要に応じて柔軟に対応できる形を継続したいと考えています。
長岡
ありがとうございました。今後も「トラコ」をよろしくお願いします!

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